
「LOVE はじめました」というタイトルを見た時、僕は妄想しました。
「きっとモー娘みたいなキュートでポップな恋愛ソングかな?」
ところが、聞こえてきたのは全く違う世界だった。
完全に騙された。
でもこの「衝撃的な裏切り」こそが、桜井さんの狙いだったのかも。
実際、桜井さんは街で「冷やし中華始めました」の張り紙を見て、このタイトルを思いついたそうです。
街でよく見かける文句に、今の恋愛の現実を重ねた。
ミスチル史上、最も容赦ない社会批判がここにあります。
ヘラヘラ笑ってた
「相変わらずだね」って 昔付き合ってた女にそう言われた
褒め言葉じゃない。 「進歩のない男」へのディスり。
それにヘラヘラ笑うしかない。 壊れないための、防御反応。
怒り
犯人はともかく まずはお前らが死刑になりゃいいんだ
ミスチル史上、最も容赦ない怒り。
でも続く。
でも このあとニュースで中田のインタビューがあるから それ見てから考えるとしようか
..................この落差よ。
怒った直後に、好きなものに逃げる。
これが僕らのリアルだと、桜井さんは歌う。
社会への怒りは、自分の好きなもので簡単に上書きされる。
糾弾じゃない。
「人間ってそういうものだよね」という受け入れ。
ひねりのない歌
なら僕は愛してる人に 愛してるという ひねりのない歌を歌おう
言葉選びの天才が、技巧を全部捨てると宣言する。
意味なんかない。深くもない。韻だって踏んでない。
でも偽りのない想いだけがある。
自分がずっとやってきたスタイルへの、自己否定。
それが出発点になってる。
同じことを繰り返す
LOVEはじめました、が繰り返される。
毎度毎度のことですが
去年よりおいしくできました
成長したフリをして、同じことを繰り返す。
恋愛も、音楽も、僕らも。
この曲を聴きながら、ギクッとする。
見知らぬ誰かを批判しているようで、気づいたら自分のことを歌われていた。
その居心地の悪さが、この曲の正体だと思う。