Mr.Children歌詞解釈記

ミスチルファン歴30年。

【とりあえず、さようなら】ミスチル「旅立ちの唄」 ── 返事を求めない応援歌

卒業ソングといえば、この曲を思い出します。

ミスチルのシングルの中では地味な扱いをされることが多い曲。

だけど、僕はずっと気になってました。

「普通の卒業ソングと何かが違う...」。

その正体が、やっと分かった気がします。

「返事はいらないから」

自分が誰か分からなくなるとき君に語りかけるよ でも もし聞こえていたって返事はいらないから…

ここです。

普通の卒業ソングは「また会おう」「繋がっていよう」で終わる。

同じミスチルの『星になれたら』でさえ、「さみしくなんかないよ」と言いながら、さみしさを全部乗せて送り出す。

でも旅立ちの唄は違う。

「返事はいらないから」と言って、静かに手を振る。

応援してる。確認しない。見返りを求めない。

これ、かなり覚悟のいる愛情だと思うんですよね。

「とりあえず」という言葉の正直さ

とりあえず「さようなら」

「とりあえず」。

感動的な別れの場面に、この言葉を選ぶ。

完全な別れじゃない。でも完全に繋がってもいない。

その宙ぶらりんの正直さが、この曲を嘘くさくしていない理由だと思うんです。

手の届かない場所から

疲れ果てて足が止まるとき 少しだけ振り返ってよ 手の届かない場所で背中を押してるから

「手の届かない場所」。

そばにいない。でも押してる。

これ、亡くなった人への言葉にも聞こえるし、遠く離れた友人への言葉にも聞こえる。

卒業だけじゃなくて、もう会えない誰かへの歌としても成立してしまう。

桜井さんがLIVEのラストにこの曲を選んで「見えないところで、背中を押します」と言いました。

歌詞そのままの言葉を、客席に向かって言った。

それだけで、この曲の正体が分かる気がします。

さいごに

旅立ちの唄は、卒業ソングだと思って聴いていました。

でも本当は、返事を求めない応援歌だったんだと思う。

「ほら 僕の体中 笑顔の君がいるから」

その笑顔を持ったまま、どこへでも行っていい。

返事はしなくていいから。