
卒業ソングといえば、この曲を思い出します。
ミスチルのシングルの中では地味な扱いをされることが多い曲。
だけど、僕はずっと気になってました。
「普通の卒業ソングと何かが違う...」。
その正体が、やっと分かった気がします。
「返事はいらないから」
自分が誰か分からなくなるとき君に語りかけるよ でも もし聞こえていたって返事はいらないから…
ここです。
普通の卒業ソングは「また会おう」「繋がっていよう」で終わる。
同じミスチルの『星になれたら』でさえ、「さみしくなんかないよ」と言いながら、さみしさを全部乗せて送り出す。
でも旅立ちの唄は違う。
「返事はいらないから」と言って、静かに手を振る。
応援してる。確認しない。見返りを求めない。
これ、かなり覚悟のいる愛情だと思うんですよね。
「とりあえず」という言葉の正直さ
とりあえず「さようなら」
「とりあえず」。
感動的な別れの場面に、この言葉を選ぶ。
完全な別れじゃない。でも完全に繋がってもいない。
その宙ぶらりんの正直さが、この曲を嘘くさくしていない理由だと思うんです。
手の届かない場所から
疲れ果てて足が止まるとき 少しだけ振り返ってよ 手の届かない場所で背中を押してるから
「手の届かない場所」。
そばにいない。でも押してる。
これ、亡くなった人への言葉にも聞こえるし、遠く離れた友人への言葉にも聞こえる。
卒業だけじゃなくて、もう会えない誰かへの歌としても成立してしまう。
桜井さんがLIVEのラストにこの曲を選んで「見えないところで、背中を押します」と言いました。
歌詞そのままの言葉を、客席に向かって言った。
それだけで、この曲の正体が分かる気がします。
さいごに
旅立ちの唄は、卒業ソングだと思って聴いていました。
でも本当は、返事を求めない応援歌だったんだと思う。
「ほら 僕の体中 笑顔の君がいるから」
その笑顔を持ったまま、どこへでも行っていい。
返事はしなくていいから。