桜井さんの風邪によるライブ中止から何の公式発表もなく、心配な気持ちと若干気分も落ち込み気味かとは思います。
そんな中、「again」をよく聞いていますが、「よし今日も頑張るぞ!」みたいな元気が出るわけじゃない。
もっと小さい。
「……まぁ、もう一日くらい、行くか」くらいの、ささやかな回復をもらえるんですよね。
で、考えてるうちに、昔からファンの間でよく言われてたことを思い出しました。
「ミスチルの歌詞はマイナスからプラスに行く」
これ、本当なんだろうか。
気になって、確かめたくなって——いつもの悪い癖で——264曲、全部の感情の流れを追ってみました。
先に言っておくと、これは厳密な集計じゃないです。
曲が「どんな気分で始まって、どんな気分で終わるか」を、聴いた体感でざっくり分けただけ。
完全に僕の主観です。
でも、並べてみたら、思ってたのと違う景色が見えました。
まず、代表的な10曲をグラフにしてみた
まず代表曲を10曲選んで、感情の流れを線にしてみました。
Aメロ、Bメロ、サビ、ラスト——曲が進むにつれて、感情がどう動くか。
マイナス→プラス 代表10曲の感情の流れ
どの曲も、見事に同じ動きをしています。
Aメロでぐっと沈んで、Bメロでもう一段沈むか低空飛行。
そしてサビで一気に水面を超えて、ラストで上がりきる。
「Again」だけは特殊で、サビでいったん少し上がってから、Cメロでまた沈んで、大サビで爆発する。
重ね合わせたら、ゾッとした
10曲の線を、1枚に重ねてみたんです。
これ、見てください。
色も曲もバラバラなのに、ほぼ全部が同じ形を描いてる。
10曲が、申し合わせたみたいに、同じ軌道を通ってる。
いや、これちょっと怖くないですか。
30年かけて別々に作られた曲が、感情の設計図だけ見たら、ほぼ同一なんですよ。
これがミスチルの「型」なんだと思います。
通説は、半分だけ当たっていた
ちなみに264曲を全部ざっくり分けると、こうなりました。
- マイナス→プラス:約60%
- マイナス→マイナス:約27%
- プラス→プラス:約13%
- プラス→マイナス:ほぼゼロ

確かに、マイナス→プラスは6割。
「マイナスからプラス」という通説は、当たってます。
ミスチルって、"最初から幸せ"な曲が意外なくらい少ない。
大半が、自己嫌悪、孤独、焦り、虚無、後悔——そういう沈んだ感情から始まる。
ここまでは、通説どおり。
でも、本当に僕がゾッとしたのは、別のところでした。
一個だけ、ゼロの欄があった
表をもう一回見てください。
プラス→マイナス:ほぼゼロ。
264曲もあって、「幸せに始まって、最後に絶望で終わる曲」が、ほぼ一曲もない。
桜井さんは「一回持ち上げてから落とす」ことだけは、絶対にやらない。
聴き手に希望を見せてから、それを奪うことだけは、しない。
でも、「沈んだまま終わる曲」は、ちゃんとある
ここ、誤解されたくないので、はっきり書きます。
「ミスチルは最後に必ず救われる」——これは嘘です。27%、マイナスからマイナスへ、沈んだまま終わる曲がある。
「深海」。
最後は
連れてってくれないか
連れ戻してくれないか
僕を 僕も
出口のない問いのまま、沈んでいく。救われない。
「Surrender」もそう。
二人で過ごした日々は
路上のチリのよう
流れて消えてThe Endさ
ここには、希望も祈りもない。
つまり桜井さんは、暗いところに人を置き去りにすることは、ある。
「救われない夜もある」を、ちゃんと書く。
おわりに
だから、なんですよね。
「Again」を聞きたくなる理由。あの曲は、「今日はいい日になる」なんて嘘をつかない。
「すり減らすだけ」「虚しくなるだけ」、しんどい朝の本音を、ちゃんと先に言ってくれる。
その上で、最後に小さく祈って、仕舞ったお宝が光ってるのを、そっと見せてくれる。
今のミスチルの状況やファンの心理、人生沈む日は必ずある。
これがマイナスからプラスへ、ミスチルの歌詞の傾向そのものとして聴こえてきました。