「ミスチルって何を歌うバンドなの?」
こう聞かれると、毎回ちょっと詰まるんですよね。
恋愛?いや人生?応援歌?
うーん、どれも正しい気がするし、どれも違う気もする。
Mr.Childrenの曲って、ぱっとイメージは浮かぶのに、「これだ」と言い切るのが難しい。
なんか、掴めそうで掴めないんです。…いや、ほんと不思議。
そこで今回は、思い切って全267曲のテーマを分類してみました。

分類結果
・恋・片想い:52曲
・別れ・喪失:42曲
・自己鼓舞:40曲
・日常の幸せ:30曲
・命・生きること:25曲
・社会批評:22曲
・官能・欲望:18曲
・青春・記憶:18曲
・音楽・夢:10曲
・家族・絆:8曲
※1曲に複数テーマもありますが、主観で「これだ」と思うものに絞っています。
並べてみて最初に思ったのは、
「あ、これランキングじゃないな」ってこと。
順番に見ていくと、なんとなく流れがあるんです。
恋をして、失って、それでも前に進んで、日常の小さな幸せに気づいて、やがて死を意識する。
「……あれ、これ人生じゃない?」
まず、恋をします(52曲)
代表曲:「抱きしめたい」「365日」「君が好き」。
52曲もあるんですよ、恋の歌。
でも、いわゆる甘いラブソングだけじゃない。
君が好き
その響きに潜んでいる
温い惰性の匂いがしても(君が好き)
この感じ。
好きって言葉の裏にある、ちょっとした違和感とか迷いとか。
ああ、リアルだなって思うんです。
だから自分の中では、ミスチルは「恋愛バンド」というより、
「恋の痛みをちゃんと描くバンド」って感覚が近いです。
そして、失います(42曲)
「OVER」「くるみ」「常套句」。
恋の次に多いのが、別れ。
そりゃそうか、と思いつつ、やっぱり重い。
恋と別れで94曲。全体の35%。
数字で見ると、なかなかえぐいです。
でも、不思議と救われるんですよね。
出会いの数だけ別れは増える
それでも希望に胸は震える
引き返しちゃいけないよね
進もう 君のいない道の上へ(くるみ)
悲しいで終わらない。
ちゃんと「その先」を見てる。
ここが、ミスチルの凄いところだなぁって思います。
それでも、歩き出します(40曲)
「終わりなき旅」「End of the day」「旅人」
別れのあとに来るのが、自己鼓舞。
でも、「頑張れ!」って押しつけてこないんですよ。
缶コーヒーをそっと渡されて、
「まあ、ボチボチ頑張るか」って隣に座ってくる感じ。
思えば、自分がミスチルに心底惚れた決定打も「終わりなき旅」でした。
大学進学で初めて地元を離れ、知り合いゼロでひとり暮らしを始めた夜のことです。
「3日間、コンビニの店員以外、誰とも話してないな….」
それを埋めてくれたのが、あの曲でした。
嫌な事ばかりではないさ
さあ次の扉をノックしよう
もっと大きなはずの自分を探す
終わりなき旅
どのフレーズがというより、歌詞の全部が孤独という塊の中に入り込んできて、少しだけ柔らかくしてくれた。
歩いていると、日常が見えてきます(30曲)
「彩り」「LOST」。
ここ、個人的にすごく好きなゾーンです。
僕のした単純作業が
この世界を回り回って
まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく(彩り)
仕事の内容は変わらない。
でも、見え方が変わる。
これ、魔法じゃなくて視点の話なんですよね。
それと「LOST」。
仕事終わりに飲むビールと
年老いた2匹の犬が
僕の帰りを待っている
それだけで良い(LOST)
いや、これ生活に入り込んでくる。
具体的すぎて、勝手に自分の生活に置き換わるんですよ。
大きな幸せじゃない。
でも、「これでいいかもな」って思える。
そして、死を意識します(25曲)
「花 -Memento-Mori-」「通り雨」「産声」。
このテーマから逃げないのが、すごい。
空虚な樹海を彷徨うから
今じゃ死にゆくことにさえ
憧れるのさ(深海)
生まれた瞬間から ゆっくりと死んでゆく
そこからは もう逃れようがないなら
笑っていたいんだけどな…(通り雨)
初期は「死への憧れ」。
中期は「受け入れ」。
後期は「命のリレー」。
ちゃんと変化してるんですよね。
時間と一緒に。
さらに、人間の闇も描く(18曲)
「フェイク」「Love is Blindness」。
怒りとか欲望とか、ちゃんとある。
これがあるから、嘘っぽくならない。
むしろ、こっちの方が本音に近い気がします。
もし綺麗な曲だけだったら、たぶん自分は10年くらいでファンをやめていたと思う。
で、結局。
ミスチルは何を歌うバンドなのか。
267曲を並べてみて思ったのは、
このバンドの主人公って、ずっと「揺れてる」んですよね。
好きなのに言えない。
夜中に一人でぐるぐるする。
情けないし、ちょっとダサい。
でも、それでも生きてる。
だから聴いてる側も思うんです。
「ああ、このままでもいいのかも」って。
恋愛バンドでもあるし、人生バンドでもある。
応援もしてくれる。
でも、どれか一つじゃない。
しいて言うなら
人間の揺れを、そのまま歌うバンド。
これが、いまの自分の答えです。
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