「なんでミスチルの曲って、気づいたら入り込んでるんだろう?」
そう思ったことはありませんか。
僕は30年ずっと思っていました。
で、デビューからの曲を1曲ずつ見ていきました。
正直、途中で「何やってんだろうな」とも思ったんですけど。
数えてみたら、267曲中148曲。
だいたい56%が、情景描写から始まってました。


※データの詳細は後日、別記事でまとめて公開します。
これ、たぶん偶然じゃない気がするんですよね。
桜井さんが30年以上にわたって、意識的に続けてきた技術なのではないか。
それが僕の考えです。
「悲しい」より「ため息色した通い慣れた道」
たとえば、こう書かれていたとしたら。
「悲しい」
伝わります。でも、残らない。
ミスチルはそう書かない。
ため息色した 通い慣れた道
なぜこっちの方が心に残るのでしょうか?
たぶん人って「言葉」よりも「景色」で思い出すんですよね。
まるで映画のワンシーンみたいに。
風景が浮かんだ瞬間に、勝手に自分の記憶が動き出す。
毎朝歩いたあの道とか、ミスった日の帰りの車内とか。
曲が、そこに貼り付いてくる感じ。
「パリのカフェ」じゃなくて、「市営の野球場」
いくつか情景描写で始まる曲を紹介します。
とどまる事を知らない時間の中で
いくつもの移りゆく街並みを
眺めていた
(Tomorrow Never Knows)
寝苦しい夜 汗ばんで
張り付いたTシャツのように
(I MISS YOU)
実家の側にある市営の野球場
声が聞こえる 逆転に沸く選手らの(産声)
どれも、特別な場所じゃないんですよね。
「おしゃれなパリのカフェ」でもないし、「タワマンからの優雅な風景」でもない。
ただの生活の中にある風景。
だから、こっちの記憶にそのまま重なってくる。
情景だけじゃない。「問いかけ」という入り口
もちろん、全部が情景から始まるわけじゃなくて。
たとえば『GIFT』は、
一番きれいな色ってなんだろう?
っていう問いから始まる。
これもたぶん同じで、 情景が「その世界に連れていく入り口」だとしたら、 問いかけは「こっちに引き寄せる入り口」なんだと思う。
どっちにしても、最初の1行で、もう何かしら動かされてる。
このことに気づいたとき、 あの調べた時間、無駄じゃなかったなって、ちょっとだけ思えました。
まとめ
ミスチルがすごいのは、情景描写が多いことじゃなくて。
風景を描いてるようで、最初の1行でもう感情を動かしてること。
しかもその風景が、誰の生活にもどこか重なるようにできてること。
それを、30年以上ずっとやってる。
次にミスチルを聴くとき、最初の1行、ちょっとだけ気にしてみてください。
たぶんそこに、自分の記憶に繋がる"何か"が、もう置かれてるはずです。
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