Mr.Children歌詞解釈記

ミスチルファン歴30年。

【輪廻転生】Mr.Children「産声」歌詞解釈――生まれ続けてる途中

アルバム『産声』のタイトル曲です。

13曲を通して、いろんな人間の姿を見てきました。

不器用で、迷って、傷ついて、それでも生きている人たちの話。

その全部を受け止めて、最後にこの曲が言うのは

「それでよかった」なんだと思います。

正直、ちょっと泣きそうになる曲です。

実家のそばの野球場

実家のそばにある市営の野球場
逆転に沸く選手らの

「実家」って、ちょっと不思議な言葉ですよね。

故郷とも違うし、今の自分の居場所でもない。

懐かしいけど、もう戻らない場所。

この曲がそこから始まるのが、すごく象徴的に感じました。

原点に戻る音。

子どもの頃、何も考えずに見ていた風景。

ただ楽しかっただけの時間。

その記憶の上に、今の自分が立っている。

命のリレー

産まれては消えてく命のリレー
今日を生きてるってこと
それだけで奇跡なんだろう

ここに、この曲の全部がある気がします。

人は生まれて、消えて、また次へ渡していく。

その流れの中で、「今ここにいる」っていう事実だけで、本当は奇跡。

哺乳類から数えると、約2億代のリレーになるらしいです。

その誰か一人でも違っていたら、今の自分はいない。

全員が、誰かを選んで、誰かを愛して、繋いできた。

そう思うと、ちょっと怖くなるくらいのスケールです。

遠回りしよう

できるだけ遠回りしよう
たった一度の人生なら

昔、光の射す方へ
「最短距離で駆け抜けるよ」と歌っていたのに、

この曲は真逆のことを言います。

遠回りしていい。むしろその方がいい。

出会い、傷、寄り道、失敗、愛、気づき。

人生の“本体”って、たぶんそっちにある。

正直、遠回りしかしてこなかった人間には、この言葉かなり救いです。

このアルバムの主人公たちは、みんな遠回りしてきた。

いや、ミスチルの歌の中の人たちは、ずっとそうだった気がします。

それでこそ僕に相応しい人生

泣いて笑って愛し合って傷付け合って
でもそれで良いのかも
「それでこそ僕に相応しい人生」

ここで、全部ひっくり返されます。

完璧じゃなかった。
失敗もした。
傷つけて、傷ついてきた。

でも

それが自分の人生だった。

その全部を「相応しい」という言葉で引き受ける。

これ、かなり強い肯定です。

真っ白な今日

真っ白な今日という入れ物に
新しい息吹を吹き込む

「産声」って、「オギャー」っていう赤ちゃんの話だけじゃない。

毎日の自分の話でもある。

昨日どんなに失敗しても、今日という器はまた白紙になる。

そこにまた息を吹き込める。

人は一気に生まれ変わるんじゃなくて、少しずつ、生まれ直していく存在なのかもしれない。

ここは「蘇生」や「バースディ」と地続きに聴こえます。

君がここにいるという奇跡

君がここにいるってこと
それだけで奇跡なんだよ

最後に、「僕」から「君」に広がります。

恋人かもしれないし、家族かもしれない。

もしかしたら、これを聴いてる“誰か”かもしれない。

孤独な曲が続いてきたアルバムだからこそ、この一行がすごく効く。

ひとりじゃない、という事実。

おわりに

このアルバム、13曲通していろんな人間が出てきました。

迷って、遠回りして、誰にも溶け込めなくて、立ち止まって。

どれも、綺麗な人生じゃなかった。

でもこの曲は、最後に全部まとめてこう言うんです。

「それでよかった」って

苦しみも、孤独も、理不尽も、全部あった。

それでも、今日ここにいる。

その事実だけで、奇跡だと言い切る。


だからこの曲、まっすぐ聴くとちょっとしんどいです。

でも

それでもいいか、って思えたとき、少しだけ救われるんですよね。

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