Mr.Children歌詞解釈記

ファン歴30年、Mr.Childrenの歌詞を独自に解釈し続ける記録

【番外編】惜しくもランク外!ミスチルの名歌詞 ──知る人ぞ知る「裏ベスト」へようこそ

前回の『20選』を公開した後、正直に言います。……猛省しました。

20曲でミスチルを語ろうなんて、そもそも土台無理な話だったんです。

泣く泣く削ったリストたちが、夢枕に立って「俺たちも語ってくれよ!」と叫んでるんですから。

というわけで今回は、表ベストには入らなかったけど、ファンの心には深く刺さっている「裏ベスト」を紹介します。

シングル曲よりアルバム曲やカップリング多め。

あと「幻の歌詞」も入ってます。

スマホ片手に、「それな!!」と頷きながら読んでください。 いくぞ!


Ⅰ. 絶望の中で、小さな光を見つける力

どんなに暗い状況でも、桜井さんは足元に落ちている「光の欠片」を絶対に見逃さない。

その視力がすごい4曲。

1.もっと

暗い目をしてたって
この星のリズムは
君に笑顔を降らすから
きっと きっと きっと

無理に笑わなくていい。

星のリズム(時間)に身を任せれば、いつか勝手に笑顔は降ってくるから。

「頑張れ」よりもずっと優しい、究極の全肯定。

……疲れた夜に聴くと、この「きっと」の繰り返しで涙腺崩壊します。

2.空風の帰り道

昨夜見たテレビの中
病の子供が泣いていた
だからじゃないが
こうしていられること
感謝をしなくちゃな

「だからじゃないが」。この一言!

不幸な誰かと比べて「自分はマシ」と思うのは感謝じゃない。

比較することなく、ただ今ここにある命に感謝する。

その誠実さに、胸がギュッとなります。

3.World's End

飲み込んで吐き出すだけの
単純作業繰り返す
自動販売機みたいに
この街にボーっと突っ立って
そこにあることで誰かが
特別喜ぶでもない
でも僕が放つ明かりで
君の足下を照らしてみせるよ
きっと きっと

自分を「自動販売機」なんて無機質なものに例える自虐。

でも、そんな自販機の小さな明かりだって、誰かの足元なら照らせる!

「無機質な絶望」から「たった一人の希望」への大逆転。

鳥肌モノの展開です。

4.エソラ

雨に降られたら 乾いてた街が
滲んできれいな光を放つ
心さえ乾いてなければ
どんな景色も宝石に変わる

雨は不運じゃない。

乾いた街を光らせる演出だ!

大切なのは「心が乾いていないこと」。

心の潤いさえあれば、ドブ川だって宝石に変えられる。

このポジティブ変換力、見習いたい……!

Ⅱ. 誰も言葉にできなかった感情を、言葉にする

「なんとなく感じていたこと」を、鮮やかに言い当てられる快感。

これぞミスチル沼。

5.風 〜The wind knows how I feel〜

風は知っているんだ
本当のことを

短い。でも、これ以上の真実はありません。

人は嘘をつき、自分さえも騙して生きるけれど、自然は決して忖度してくれない。

人間の都合なんて無視して吹き荒れる。

その圧倒的な容赦のなさこそが、世界で唯一の嘘のない真実なんです。

6.I'll be

笑いたがる人にはキスを

自分を笑う奴には、怒るんじゃなく「キス」を贈れ。

同じ土俵で戦わない。「余裕」という名の、最もエレガントで強烈な復讐。

キザすぎる! でも最高にかっこいい!

一回でいいから人生でやってみたい(笑)。

7.ハレルヤ(幻の歌詞)

子供らの顔を
狂おしく撫でる手は
人を殴る手でもあり

これ、CDには入ってないんです。

ドキュメンタリー番組で一瞬歌われただけの「幻のフレーズ」

愛する手と、暴力を振るう手は、同じ手。

人間のどうしようもない二面性を、これほど鋭く突いた言葉があるでしょうか。

(これを知ってると、古参ファンに「おっ」と思われます)

8.あんまり覚えてないや

キャッチボールをしたり
海で泳いだり
アルバムにだって
貼り付けてあるんだもの
ちゃんと覚えてるんだ
ちゃんと覚えてるんだ
ちゃんと覚えてるんだ こんなに

桜井さんが歌う「キャッチボール」「海で泳いだり」。

どこにでもある、何気ない家族の時間。

でも、そんな日常こそが、一番鮮明に心に残っているんですよね。

特別なイベントじゃない。

ただ一緒に遊んでくれたこと。

その記憶の一つ一つが、「自分はこんなにも愛されていたんだ」という確かな証明になって、胸を熱くさせるんです。

Ⅲ. 見過ごす日常を、詩に変える魔法

信号機、枯れた花、洗濯機。

生活感あふれる景色が、哲学に変わる瞬間。

9.ハル

信号機は誰もいない道にも
合図をくれる
愛想などない でも律儀で
誰かに似てる気がした

誰もいない夜道で点滅する信号機。

「愛想などない/でも律儀」。

不器用だけど、絶対に仕事をサボらない信頼できる人。

ファンの間では「これ、ギターの田原さんのことでは?」と囁かれる名歌詞です。

(田原さん、愛されてるなぁ……)

10.Documentary film

枯れた花びらが
テーブルを汚して
あらゆるものに
「終わり」があることを
リアルに切り取って
しまうけれど
そこに紛れもない
命が宿ってるから

「汚れる」ことすら肯定する。

テーブルの汚れは、そこに「命があった」という証明だから。

「老い」や「終わり」すら愛おしく見つめる。

桜井さんの視線の優しさが極まってる一節です。

11.Party is over

洗濯機の中でもつれ合う
ロンTとデニムは
あの夏の2人みたい

パーティーは終わった。

でも日常は続く。

洗濯機の中で絡まる服を、かつての恋人たちに重ねるセンスよ!

生活感の中に、終わった恋の痛みが溶け込んでる。……くぅ、苦いね。

12.光の射す方へ

母親がいつか
愚痴るように言った
「夏休みのある小学校時代に帰りたい」

理想の母じゃない、愚痴る母。

大人になるということは、夏休みがなくなるということ。

母親のリアルな愚痴を通して「終わらない日常の苦しさ」を描く。

これ聴くと、実家に電話したくなるんですよね……。

Ⅳ. 綺麗事じゃない、人生のリアルな数式

甘い夢は見させない。

冷徹な現実を突きつけられるからこそ、僕らは信用できるんです。

13.Door

このドアはひょっとして
何の喩えでも象徴でも
メッセージでも無くて
開いたって昨日と同じ
生活が待っていたりして

「扉を開ければ希望がある」なんて嘘だ。

開けても劇的な変化なんかない。

昨日と同じ今日が続くだけ。

その「変わらなさ」を受け入れる諦念こそが、大人のリアル。

深すぎる……。

14.羊、吠える

いいこと「49」 
嫌なこと「51」の比率

50:50じゃない。

ほんの少しだけ、嫌なことが多い(笑)。

この「+1」のさじ加減が絶妙! でもそれでいい。

その「ちょっとしたマイナス」を受け入れて生きるのが、日常というものだから。

15.忙しい僕ら

高く舞い上がったボールも
必ず地上に落ちるように
それが良いことであっても
その逆でも

物理法則は嘘をつかない。

ボールが落ちるように、良いことも悪いことも永遠には続かない。

諸行無常の哲学を、ボールの軌道だけで説明しきる天才的な比喩。

16.進化論

変わらないことがあるとすれば
皆 変わってくってことじゃないかな?

ダーウィンの進化論をポップスに昇華。

唯一の真実は「すべては変わっていく」ということだけ。

変化を恐れる僕らの背中を、このパラドックスが押してくれます。

Ⅴ. 終わりなき旅を、軽やかに歩くために

人生という旅を、少しだけ楽にするヒント。

これで明日も生きられる。

17.ロードムービー

街灯が2秒後の未来を照らし
オートバイが走る
等間隔で置かれた
闇を越える快楽に
また少しスピードを上げて
もう1つ次の未来へ

10年後なんて見なくていい。

街灯が照らす「2秒先」だけを見て、闇を越えていけばいい。

バイクの疾走感の中で「今を生きる」ことの本質を描ききった名フレーズ。

この「2秒後」って表現が神懸かってます。

18.遠くへと

カーブを曲がる度に
迷いをひとつ落としてく

移動することは、セラピーだ。

カーブの遠心力で、心の迷いまで振り落としていく。

「逃げる」のではなく「自分を始め直す」ための旅がここにあります。

ドライブ中に聴くと最高です。

19.掌

ステッカーにして
貼られた本物の印
だけど そう主張している方がニセモノに見える

「本物」アピールをする奴ほど怪しい。

本当に本物なら、黙っていても伝わるから。

SNS時代の「自己顕示欲」にも刺さる、鋭い皮肉。

うう、耳が痛い……(笑)。

20.Simple

10年先も20年先も
君と生きれたらいいな

「君なしじゃ生きられない」なんて言わない。

「生きれたらいいな」。

その控えめな願望にこそ、日常の延長線上にある本当の愛を感じます。

やっぱり最後は、シンプル・イズ・ベスト!

 

さいごに

前回の20選が「人生の教科書」だとしたら、今回の番外編で見えてきたのは「日常への愛」です。

自動販売機、信号機、洗濯機。

桜井和寿という人は、誰も気にとめない景色の中に、必ず「光」を見つけ出します。

260曲の中には、まだまだ語り尽くせない物語が眠っています。

あなたの「裏ベスト」を胸に、今日も小さな光を探しにいきましょう。

 

次回の「ミスチル酒場」: 次は、ミスチルの「卑猥・暴力・エロス」……表舞台では語られない、ドロドロの深淵をまとめます。

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