
桜井さんの歌詞って、何がすごいんでしょう。
僕なりの答えはこうです。
誰も言葉にできなかったことを、言葉にする人。
複雑な感情を抱えながら、うまく言えないまま生きてる。
そこに桜井さんがスッと差し出してくれる。
「君が言いたかったの、これだろ?」って。
ミスチルファン歴30年の僕が、全266曲の中から震えた歌詞を20個選びました。
Ⅰ. 生きづらさを、全肯定してくれる
「頑張れ」とは言わない。「しんどいよな」と隣に座ってくれる。
1. 未来
生きてる理由なんてない
だけど死にたくもない
こうして今日をやり過ごしてる
なぜ生きるのか、答えなんてなくていい。
死にたくないから今日をやり過ごす。
そのくらいの低いハードルで生きていいんだと。
2. Center of Universe
悩んだ末に出た答えなら
15点だとしても正しい
100点じゃなくていい。
悩んで出した答えなら、その低得点が愛おしい。
完璧主義の呪いを解く言葉だと思う。
3. 天頂バス
トンネルを抜けると
次のトンネルの入り口で
果てしない闘も 永遠の光も
ないって近頃は思う
人生はトンネルの連続で、いいことがあってもまた次の問題が来る。
でも「終わらないなら、今の景色を楽しめばいい」と肩の荷が下りる。
4. Any
今 僕のいる場所が
探してたのと違っても
間違いじゃない
きっと答えは一つじゃない
第一志望じゃなくても、描いた未来と違っても、そこは間違いじゃない。
「探してたのと違う場所」にしかない景色が、必ずある。
Ⅱ. ありふれた「日常」にある「幸福」
失敗も、退屈な仕事も、すべては今の幸せにつながっている。
5. LOST
仕事終わりに飲むビールと
年老いた2匹の犬が
僕の帰りを待っている
それだけで良い それだけで良い
壮大な夢なんていらなかった。
それだけで十分だと気づくまでに、どれだけかかったんだろう。
6. 彩り
僕のした単純作業が
この世界を回り回って
まだ出会ったこともない人の
笑い声を作ってゆく
社会の歯車かもしれない。
でもその歯車が、誰かの笑顔を回している。
7. 1999年、夏、沖縄
酒の味を覚え始めてからは
いろんなモノを飲み歩きもしました
そして世界一のお酒を見つけました
それは必死で働いた後の酒です。
高級ワインより美味いものがある。
自分の汗というスパイスが、安酒を世界一に変える。
8. ひびき
見つからなかった探し物は
ポケットに入ってました。と
幸せなんかおそらくそんな感じでしょ!?って
君の声は教えてくれる
必死で外を探し回っていたのに、幸せは最初から日常の中にあった。
それを「そんな感じでしょ」と笑い飛ばすセンスが、桜井さんだと思う。
Ⅲ. 愛の残酷さから、目を逸らさない
ミスチルのラブソングは甘くない。
嫉妬、執着、本音を歌うから信用できる。
9. 渇いたkiss
ある日君が眠りに就く時
誰かの腕に抱かれてる時
生乾きだった胸の瘡蓋がはがれ 桃色のケロイドに変わればいい
別れた相手の不幸を願うんじゃなく、「私という傷跡」が一生消えないことを願う。
残酷すぎて美しい比喩だと思う。
10. himawari
優しさの死に化粧で
笑ってるように見せてる
君の覚悟が分かりすぎるから
僕はそっと手を振るだけ
別れの瞬間の笑顔を「死に化粧」と呼ぶ。
このワードセンスに、最初読んだとき唸った。
11. CANDY
孤独が爆発する
たった5文字。
孤独は静かに沈むものだと思ってた。
でも違う。内側で膨れ上がって、爆発する。
12. しるし
共に生きれない日が来たって
どうせ愛してしまうと思うんだ
「どうせ」という諦めを、愛の深さに反転させた一行。理屈じゃ止められない。
Ⅳ. 視点を変えれば、世界は一瞬で変わる
凝り固まった心をほぐし、視点を少し変えるだけで世界が変わる。
13. PADDLE
良い事があってこその笑顔じゃなくて
笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら
それが良い事の 序章です
幸せだから笑うのではない。
笑うから幸せになる。
形から入れば、後から心がついてくる。
14. In The Pocket
絡まった靴紐は 解くのを諦めて 忘れて遊んでたら
知らぬ間に解けてた
問題をいじくり回すほど事態は悪化する。
脱力こそが、解決への近道だったりする。
15. おはよう
駅前には自転車を置ける場所が あまりないから
歩いて駅まで向かおう
その方が長く話せる
不便さを、君と長く話せるチケットに変える。
事実は変えられないけど、解釈は変えられる。
16. くるみ
どこかで掛け違えてきて
気が付けば一つ余ったボタン
同じようにして誰かが
持て余したボタンホールに
出会う事で意味が出来たならいい
過去の失敗も、今日あなたに出会うための伏線だったのかもしれない。
Ⅴ. 「光と影」人生の全部を、肯定する
プラスマイナス、すべてを含んで人生。
17. 通り雨
生まれた瞬間から
ゆっくりと死んでゆく
そこからは もう逃れようがないなら
笑っていたいんだけどな…
死に向かうベルトコンベアに乗っている。
でも、だからこそ道中は笑っていたい。
虚無の底で見つけた、静かな開き直り。
18. HERO
人生をフルコースで深く味わうための
幾つものスパイスが誰もに用意されていて
時には苦かったり 渋く思うこともあるだろう
そして最後のデザートを笑って食べる 君の側に僕は居たい
辛い出来事も、最後のデザートを引き立てるスパイスだった。
この発想の転換が、この曲の全部だと思う。
19. GIFT
降り注ぐ日差しがあって
だからこそ日陰もあって
そのすべてが意味を持って
互いを讃えているのなら
もうどんな場所にいても 光を感じれるよ
光と影はセットで、影があるから光が際立つ。
自分の嫌いな部分も、誰かを照らす光になるかもしれない。
20. 終わりなき旅
胸に抱え込んだ迷いが
プラスの力に変わるように
いつも今日だって
僕らは動いてる
迷ってもいい。
その迷いが、次の一歩を踏み出すエネルギーになる。
さいごに
20個選びながら、改めて気づいたことがあります。
桜井さんは30年間、ずっと同じことを歌ってきました。
生きるのはしんどい。でも、それでも、生きていく。
安易な「大丈夫」は言わない。
ただ「しんどいよな」と横に座って、「でも、まあ、生きていこうか」と肩を叩いてくれる。
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