
最初は「爽やかな曲だなぁ」と思っていました。
でも何度も聴いているうちに「ん?」と気づいた。
この曲の本質は、たった二つの行動にある。
腐ったリンゴを捨てて、青いリンゴを齧る。それだけ。
捨てる場面から始まる
傷んだリンゴをゴミ箱に放り投げて
出掛けにコーヒーをすすりながら
少しだけ心が傷んだ
タイミングを逃して腐らせてしまった夢。
叶わなかった計画。
出掛けにコーヒーをすすりながら、静かに手放す。
「少しだけ心が傷んだ」。
激しく絶望するわけじゃない。
でも何も感じないわけでもない。
この「少しだけ」の加減が、若い頃とは違う痛みのリアルさだと思う。
「生まれ変わったら見たい世界があるよ」と
仲間と笑って話した後
いやまだ間に合う気もすんだ
仲間と笑いながら「生まれ変わったら見たい世界がある」なんて話をして、「いやまだ間に合う気もすんだ」と思い直す。
この曲で一番温かい瞬間です。
諦めかけて、でも諦めきれない。
笑える仲間がいる。それがこの曲の底に流れてる。
ナイフを持った奴が暴れ出したら
僕ならどんな行動をとるか
なんて考えてみるんだ
唐突に現れるこの比喩。
それは、リストラや病気、あるいは天災。僕らの日常を突然切り裂く困難を象徴しているんじゃないでしょうか。
けれどここで彼は、戦うとも逃げるとも言いません。
「そういうこともある」と、淡々とその可能性を見つめている。
愛する人がいる その体温を感じていたい
青いリンゴを齧る勇気って、どこから来るのか。
隣に誰かいるからだと思う。
体温があるから、酸っぱさも味わえる。
色の変化
傷んだリンゴを捨てた男が次に選んだのは、完熟したリンゴじゃなかった。
まだ酸っぱい、青いリンゴ。
完璧なタイミングを待っていると、リンゴはいつの間にか傷んでしまう。
だから未熟なまま齧る。
「味わう」という言葉がいい。我慢するんじゃなくて、味わう。
さいごに
もう大きな夢を追いかける年齢でもない。でも何もしないのも違う。
青いリンゴって、別に大それたものじゃないのかもしれない。
趣味でも恋愛でも。もしかしたら、このブログもそうなのかもしれない。
ちょっと酸っぱくて未熟なものを、それでも味わってみる。
また季節は巡る、何度でも。
完璧なタイミングなんて、たぶん一生来ない。