
尾崎豊を崇拝する桜井さんが書いた『Fifty's map』。
タイトルはもちろん「セブンティーンズマップ」のオマージュです。
若さの反抗ではなく、大人になったあとにくる閉塞感と、それでも進もうとする意志が混ざっている。
「独りになれたら」と願う
誰にだって「独りになれたら」と願う
そんな時がある
これは単純な孤独願望じゃなくて、「役割から解放されたい 」
っていう意味に感じます。
家族がリビングにいても、コンビニに行くふりして、車の中で一人になる。
トイレに少し長く籠もる。あの感じ........。
大人になるほど「完全に自由な時間」ってなくなるので、この一行だけでかなり共感を引っ張ってきます。
「自由ってやつは ティーンエイジャーにだけかかる魔法じゃない」
自由ってやつは
ティーンエイジャーにだけ
かかる魔法じゃないはずだろう?
ここ、すごく重要です。
つまり主人公は、若い頃みたいな無鉄砲な自由は失ったけど 「自由そのもの」が消えたわけじゃないはず
と自分に言い聞かせている。
ただ同時に、本当にまだ自由はあるのか?という揺らぎも感じます。
自信なんて無くても あるように見せれるさ
自信なんて無くても
あるように見せれるさ
ここめちゃくちゃリアルですね。
大人の世界って、実力より“それっぽさ”で乗り切る場面がある ことが多い。
つまりこれは、成長ではなく“演技の上達”なのでは?という苦さも含んでいます。
自分で蒔いた種を拾い集めるだけの日々
自分で蒔いた種を
拾い集めるだけの日々
これはかなり重い。
新しい挑戦より“後処理”が中心っていうニュアンス。
人生は収穫ではなく、回収の連続。
若い頃の選択、判断、怠慢。
それらが形を変えて、今の自分のもとに戻ってくるみたいな感じでしょうか。
どこにも逃げれない そう過去にも未来にも
どこにも逃げれない
そう過去にも未来にも
ここは哲学的ですね。
仏教的要素も感じます。
過去 → 変えられない。
未来 → 不安から逃げられない。
現在 → その狭間で立ち尽くすしかない
つまり、
人は時間そのものから逃げられないということ。
かなり深い一行です。
「ヒカリノアトリエ」でも「今だけがここにある」と歌ってましたが、中期ミスチル以降は「今この瞬間を生きろ」的なメッセージが多いです。
バイクで闇蹴散らし〜窓ガラス叩き割って
バイクで闇蹴散らし
窓ガラス叩き割って
つまらぬルールを破壊しながら
ここ、急に“青春の暴走”が出てきます。
「盗んだバイクで走りだす」を思い出しますね。
尾崎豊のDNAを受け継いだミスチルが炸裂する1行。
似てる仲間が ここにもいるよ
似てる仲間が
ここにもいるよ
ラストで救いが入る。
ミスチルがリスナーに「一緒に頑張ろうぜ」と言ってくれてるみたいで、うれしくなります。
さいごに:全体としてのテーマ
この歌詞の一番大きなテーマは、
「大人になったあとも、自由を探し続ける人間の地図」
だと思います。
タイトルの「おとなの地図」って、正解が書いてある地図じゃない
むしろ迷っている状態そのものなんですよね。