
自分の中に、嫌いな部分がある。
消したいけど消せない。向き合いたいけど怖い。
誰でも一個や二個、そういうやつがいる。
肥大したモンスターの頭を 隠し持った散弾銃で仕留める
なぜライフルじゃなくて散弾銃なのか。
ライフルは狙う相手がはっきりしてる時の武器。
でも自分の中のモンスターって、姿がぼんやりしてる。
なんか重い、なんか怖い、でも何なのか分からない。
輪郭のない相手にピンポイントで狙えない。だから広範囲に撃つしかない。
今度こそ 躊躇などせずに その引き金を引きたい
「今度こそ」の重さを、さらっと流せない。
何度も向き合おうとして、そのたびに逃げてきた歴史が、この三文字に全部入ってる。
しかも「引く」じゃなくて「引きたい」。
まだ引いてない。引けるかどうかもわからない。
その揺れが正直すぎて、しんどい。
あいつの正体は虚栄心? 失敗を恐れる恐怖心? 膨れ上がった自尊心?
「?」を三回続ける。答えを出さない。
SNSのいいねが気になる。他人と比べる。認められたい。
でも認められると失いたくなくなる。
そういうやつが全部、モンスターとして肥大してる。
しかも、このモンスター、年齢重ねるほど図体がでかくなる。
退治するどころか、餌やってた気がする。
で、この曲の核心がここ。
追い詰めたモンスターの目の奥に、孤独と純粋さを見つける 捨てられた子猫みたいに、身体を丸め怯えてる
倒すべき敵だと思ってたものが、怯えてた。
虚栄心も、恐怖心も、承認欲求も——もとをたどれば傷ついた自分が作り出した防衛反応で。
バケモノに見えてたものが、ずっと怖かっただけだった。
「捨てられた子猫」と言われた瞬間——責める気がなくなる。
このままロープで繋いで 飼い慣らしてくことが 出来たなら
撃ち殺すんじゃない。飼い慣らす。
完全に消し去ることはできない。だったら一緒に生きていくしかない。
犬でも猫でも——飼い慣らすって時間がかかる。噛まれることもある。でもいつか、隣で寝るようになる。
自分の中のモンスターも、たぶんそういうもの。
Starting Overって、何度でも始め直せる曲だと思ってました。
でも違った。
始め直すたびに、また同じモンスターと向き合うことになる。
飼い慣らすって、かっこいい話じゃない。
でも、それが一番正直な答えだと思う。